オペラ歌手 井上秀則さんの豪華トークショー in Houston

4月18日、世界的に活躍されている若手オペラ歌手の井上秀則さん(バス・バリトン)をお招きし、三井物産支店長宅の広間にて、オペラ歌唱付きトークショーを開催しました。

井上さんは現在ドイツに在住ですが、今回オースティンオペラ出演のためテキサスに来られました。この機会をとらえ、ちょうど休日となっていた4月18日にヒューストンにお越しくださいました。今回のミニコンサートでは、大変興味深いお話とともに、素晴らしい歌唱を数曲ご披露いただきました。

ショーの冒頭は、なんと支店長宅のらせん階段から、ビゼーのオペラ「カルメンの闘牛士」を歌いながらの劇的な登場でした。

それから、自己紹介を兼ねてご自分の経歴を話されました。井上さんが異色のオペラ歌手といわれる所以は、ビジネスマンからプロのオペラ歌手に転向されたことです。

普通ではあり得ないことですが、ご両親がオペラ歌手であり、更にご祖父母も日本音楽界の草分け的存在であったとの説明で、皆さん納得されていました。幼少時代から音楽の中で育ち、絶対音感が自然と身に付いていたのだと想像します。

しかしながら子供は親の希望に沿わず、音楽の道に進むのが嫌で、柔道を選び、大学では経済学部に、卒業後はブリジストンで大手自動車会社相手の営業マンとなりました。

その後、のちに奥様となるアメリカ人女性と出会い、渡米を機にニューヨークで専門商社の営業部長としてチームを牽引する中で音楽と出会い、キャリア変更を決意。マンハッタン音楽院に大学部生として入学するも、飛び級、学部・大学院合計わずか3年間で修士を取得されます。

そして卒業後、即時プロデビューを果たされて現在のご活躍に至ったということです。

トークショーでは、オペラの概要や、その身近さについて理路整然と解説してくださいました。

例えば、結婚行進曲や洗剤の広告など、オペラが多方面で引用されている事例を、バリトンの美声を用いて示しながら紹介されました。また音楽業界の厳しい現実や、オペラ歌手としての苦悩についても話されました。

ご披露いただいた演目は、まず、ご自身が出演した代表的なオペラ作品から2曲、そしてオースティンのオペラで歌われる「La Bohemeのコッリーネ(バス)」です。

井上さんの声質や体格、容姿(長髪・ひげ)は、特徴的な悪役や動作の少ない銅像役などに適していると評されています。

最後は、故郷兵庫県の歌「夕焼け小焼け」で締めくくられました。

それから、せっかくの機会ということで、オペラ歌手の発声の基本を皆さんに伝授していただきました。

マイクを使わずに広いホール全体へ声を届けるための「効率的な体の使い方」で、その核となるのは、豊かな呼吸、響きの増幅、そして喉の解放です。

胸ではなく、お腹や背中を使って深く息を吸い、横隔膜を下げて肺を広げます。吸った息を一定の圧力で送り出し続けるための体の踏ん張りを「支え」と呼び、これにより声帯が安定して振動します。

顔の前面や鼻腔に声を集めるイメージで、明るく通る声を作ります。そして中咽頭の活用で口の奥の空間を広げることで、オペラ特有の深く豊かな響きが生まれます。

喉を下げてリラックスさせることで、声が詰まらずに伸びやかに響くようになるそうです。  

オペラ歌手は、30年のキャリアを経てようやく本来の声に到達するとのことで、井上さんのバス・バリトンは依然として成長過程にあるそうです。今後のさらなる成長と活躍に期待が寄せられます。

https://www.hidenoriinoue.com/resume-bio

***参加の皆様からの感想****

「世界中で活躍されているオペラ歌手の歌唱を至近距離で聴く事ができ、生い立ちから歌手になられるまでのエピソードなど、コンサートでは聞くことのできない井上さん個人のお話を沢山聞くことができ、お話と歌でとても楽しくあっという間の時間でした。」

「間近でマイクを通さない生の響きや圧倒的な声量が堪能出来、良かったです。トークと歌の割合も丁度であったように思います。観客を巻き込む親しみやすさを感じました。」

「井上さんの迫力ある歌声と表現力に大変感動いたしました。間近で本格的なオペラを楽しめる貴重な機会となり、とても印象に残っております。また、発声練習なども実際に体験させていただき、オペラをより身近に感じることができました。妻も以前からオペラに行ってみたいとよく話しており、ヒューストンでこのような機会を体験できたことを大変喜んでおります。」

「当方はクラシック音楽が好きで、オペラもよく聴きに行きますが、あれほどの距離で生の声を聴ける機会は初めてでしたので、個人的にも大変貴重な会だったと思います。又、井上さんのお人柄もあるとは思いますが、参加者の皆さんと一体となって発声練習など参加型にしていただいたのはとても良かったと思います。」

「オペラ歌手の方を招いてのサロンコンサートを企画いただき、ありがとうございました。螺旋階段からの登場にはテンションが上がりました!プロの方の生い立ちや発声法など、普段なかなか伺うことのできない貴重なお話を聞けて楽しかったです。歌唱は4曲と短めではありましたが、あの至近距離で聴く歌声は圧巻で、非常に贅沢なひとときでした。」

「井上さんのパフォーマンス素晴らしかったです。ご自身での自己紹介やオペラについての解説も非常に面白く参加させていただき感動しました。歌もカルメンから始まり日本の夕焼け小焼けなどの曲が入り日本人には大受けのアレンジメントだと思いました。人間的にも馴染み深い方だし、来年の新年会に参加いただけるとの事ありがたいです。楽しみです。」

「実際にプロとして活躍される井上さんのプライベートコンサート、と呼んでも遜色のない素晴らしいパフォーマンスに触れる機会を得られたことに感謝しております。確かな技術と研鑽を感じられた会となり、私も大いに刺激を受けております。」

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