日本人会3月懇親会 - ヒューストンダウンタウン散策

2025 年 3 月 16 日(日) は晴天に恵まれ、無事に楽しく Bayou & Downtown Walk を開催することができました。

集合場所は、旧郵便局をリノベーションした複合エンタメ施設「POST Houston」の 1 階にあるガチャガチャストア。ここに 13 時に集合、すぐ目の前の公園に立つ George Bush (Sr.)像を眺めながら進むと、Bagby Street と Preston Streetの交差点に差し掛かります。

その交差点をよく見ると、すぐ先に BuDalo Bayou へ下るスロープがあります。
(*バイユー(Bayou)とは、アメリカ南部特有のゆったりとした流れの湿地帯の水路を指し、BuDalo Bayou は、テキサス州ケイティ(Katy)付近に源を発し、ヒューストンのダウンタウンを横切り、最終的にはガルベストン湾へと流れる約 85 マイル(137km)の水路です。)

騒がしい地上からそのスロープを少し降りるだけで、一気にのどかな BuDalo Bayouの世界が広がっています。ダウンタウンの高層ビルを横目に、I-45 の下をゆったりと流れる Bayou 沿いを歩くこのルートは、まさにヒューストンの風情ですね。カヤックやサイクリングを楽しむ人々とすれ違いながら、20 分ほど歩くと BuDalo Bayou Park に到着します。

ハイライト: Cistern(地下貯水庫)の見学

今回の散策の最大のハイライトは、この BuDalo Bayou Park の地下にある、1926 年に建設された Cistern(地下貯水庫)の見学です。

1926 年といえば、日本では大正天皇が崩御され、昭和天皇が即位された年ですね。
この貯水庫は、かつてヒューストン市の飲料水を供給するために建設されましたが、2007 年に漏水が発覚し、役割を終えました。しかし、その後都市再生プロジェクトの一環として修復され、現在はアート展示や音響体験の場として一般公開されています。

この空間の最大の魅力は、その幻想的で神秘的な雰囲気です。入場料$15.9 を払い、防空壕のような厚い鉄のドアをくぐると、ひんやりとした暗い地下の入り口へと案内されます。そこからさらに進むと、目の前には何とも名状しがたい、旧世界の遺跡のような、SF の世界の様な、ハリーポッターの魔法学校のような異世界の光景が広がります。無数のコンクリートの柱が水面に反射し、まるで「天空の城ラピュタ」に登場する、水に沈んだ古代の城のよう。柔らかな光が水と柱に溶け込み、まるでどこまでも続く異次元の世界に迷い込んだかのような錯覚を覚えます。

そして、ツアーの最後には、参加者全員で大声を出し、そのエコーを聞く体験をしました。なんと、Cistern 内では音の反響が 17 秒も続くそうです! 音が何層にも重なり、まるで大聖堂の中にいるような不思議な感覚を味わうことができました。

このちょっと怖いくらい美しい空間が、ほんの 2007 年まで実際に水供給施設だったとは驚きです。一見の価値がある場所なので、ぜひ一度訪れてみてください。

ヒューストンダウンタウンの建築と歴史をめぐる散策

Bayou Walk と Cistern 見学後は、ダウンタウンの建築巡りへ。
案内人は、かつてヒューストンの高層ビル群の法律事務所で勤務していた八木弁護士。法曹界の視点も交えながら、ダウンタウンの歴史や建築について解説していただきました。以下に、その一部を紹介します。


1 .ヘリテージプラザ (Heritage Plaza):


ダウンタウン散策の出発地点は、1987 年初頭に完成したヘリテージプラザ。ビルの頂部はマヤ文明のピラミッドを思わせる特徴的なデザインが印象的です。1980 年代後半からヒューストンは経済不況に見舞われ、ダウンタウンでは Enron Building(現 1500 Louisiana Street)が1999 年に建設が開始されるまで約 12 年間、新たな高層ビルは建てられませんでした。

2. Shell Plaza:

次に訪れたのは、1971 年に完成した Shell Plaza で、ヒューストンのエネルギー産業を象徴するオフィスビルです。52 階建ての南棟(One ShellPlaza)と 26 階建ての北棟(Two Shell Plaza)で構成され、建設当時はヒューストンで最も高いビルでした。また、 建設当初のテナントの一つが法律事務所Baker Botts であり、同事務所は、元米国国務⻑官 James Baker III の祖父が設立し、現在も One Shell Plaza にオフィスを構えています。

3. Pennzoil Place & Bank of America Center:

建築家フィリップ・ジョンソン設計のビル。Pennzoil Plaza の二棟のビルが向かい合う独特のデザインが特徴的です。
設計はフィリップ・ジョンソンが手掛け、同氏はギャラリアの Transco Tower(現 Williams Tower)など、数々の著名な建築に関わったことで知られています。隣接する 3 段階に分かれた構造が特徴的な Bank of America Canter もフィリップ・ジョンソンの代表作の一つです。

4. JPMorgan Chase Tower:

高さ 305 メートル、75 階建ての超高層ビルであり、世界で最も高い五面体のビル。
このビルは建築家 I. M. Pei(イオ・ミン・ペイ)によって設計されました。I. M. Pei は、ルーブル美術館のガラスのピラミッドの設計者としても有名です。

5. Rice Hotel (現 Rice Loft):

かつてこの地にはテキサス共和国最初の首都として使用されていた建物があり、その後、ライス大学の創設者であるウィリアム・マーシュ・ライス(William Marsh Rice)が土地を購入し、1913 年に Rice Hotel としてオープンし、1977 年まで営業していたヒューストン屈指の高級ホテルでした。ました。1959 年、NASA の最初の宇宙飛行士の選抜メンバー「マーキュリー・セブン」は、ヒューストンのライスホテルで集合命令を受け、公式に任命されたことでも有名です。現在は改装され、Rice Lofts として高級レジデンスに生まれ変わっています。

6 Cotton Exchange Building:

最後に立ち寄ったのが、Cotton Exchange Building。
ヒューストンが石油産業で発展する前、綿花貿易の中心地として栄えた歴史を象徴する建物です。

締めくくりは POST Houston の Food Hall で乾杯!

16:00 には再び POST Houston に戻り、International Food Hall で乾杯。
おつまみは、チキンサンドで有名な Lea Jane’s の「Loaded Fries (全部乗せフライドポテト)」!

今回は、BuDalo Bayou Park の自然とヒューストンダウンタウンの歴史・建築を巡る、充実した 3 時間となりました。
普段は素通りしてしまいがちなヒューストンの街を、異なる角度から見つめ直す試みでもありました。

また、今後も類似のミニイベントを企画予定ですので、ぜひご参加ください!
なお、本イベントについては、⻭科医の清水先生が以下の YouTube チャンネルで紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
また、本記事で使用している写真のほとんども、清水先生よりご提供いただいたものです。

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